低用量ピル~トリキュラーの副作用など~

パートナーとの性行為は愛情を深めることのできる大切なものですが、女性にとっては万が一妊娠してしまったらという不安が付きまといます。
コンドームで避妊している人も多いですが、完璧に避妊できるものではないので油断は禁物です。絶対に妊娠したくないという場合は、コンドーム以外のより確実な避妊方法を実践する必要があります。

そんな場合に役立つのが、トリキュラーなどの低用量ピルです。正しく服用できればほぼ確実に妊娠を回避することができるため、大きな助けとなってくれます。
最も普及しているトリキュラーについて、そもそもどんな効果を持っているのか、副作用はないのか等の基礎的な知識を身につけ、正しく利用していきましょう。

ピルとは

ピルのイメージ低用量ピルというのは経口避妊薬のことで、妊娠を希望しない場合に服用することで100%近い避妊効果を発揮することができます。
他の避妊方法と比較しても避妊効果は格段に高く、男性任せにすることなく女性が自分の意志で避妊できるため、女性にとって大きなメリットがあります。

具体的な服用方法も実に簡単で、1日1回、できるだけ同じ時間帯に1錠を服用すれば良いだけです。
1つのシートに21錠もしくは28錠の錠剤が入っており、医師の指導に従って毎日服用していきます。
飲み忘れると避妊効果が格段に下がってしまうので注意が必要ですが、正しく服用していればまず妊娠の心配はありません。
処方してくれるクリニックにもよりますが、だいたい1ヶ月分2,000円から3,500円ほどが相場です。

低用量ピルとひと口に言っても、その種類は製薬会社や服用方法などによって実に様々です。
その中でも最も人気があって普及しているのはトリキュラーですが、基本的な効果や作用機序などはどの低用量ピルも変わりありません。
ホルモンバランスを変化させること、子宮頚管粘液に作用すること、子宮内膜の成長を邪魔すること等の効果によって高い避妊効果を得ることができます。

もともと女性の体内にはエストロゲンとプロゲステロンという2種類のホルモンが分泌されており、そのバランスが変化することで排卵が起きたり生理が始まったりします。
低用量ピルにも女性ホルモンと似た成分が配合されているため、服用すると妊娠した時と同じようにホルモン量を増やし、脳に妊娠したと誤解させることで排卵を抑制できるというのが主な効果です。

また、妊娠が成立するためには精子と卵子が受精しただけでは不十分で、受精卵がしっかりと子宮内膜に着床する必要があります。
子宮内膜はふかふかのベッドのようなものであり、厚く成長していないとうまく着床することができません。
子宮内膜の成長にはエストロゲンが欠かせないのですが、低用量ピルを服用するとプロゲステロンの方が増加してしまうため、子宮内膜の成長が止まってしまいます。
この結果、受精卵が着床できる状態にならず、仮に受精したとしても妊娠を防ぐことができます。

プロゲステロンには他にも避妊に役立つ作用があり、子宮頚管から分泌される粘液の粘り気が増すため精子がスムーズに子宮内に侵入することができません。
侵入できる精子の量が減少すれば必然的に妊娠の確率も低くなるため、この点でも避妊効果を高めることができます。

これ以外にも低用量ピルには数多くのメリットがあり、ホルモンバランスを整えることで生理周期を一定に保つこと、月経前症候群や生理痛などを緩和させること、希望する日に生理日をずらすことなどができます。
エストロゲンの作用を抑えることで子宮体がんや卵巣がんの発症リスクを引き下げる効果も認められており、避妊以外の目的でも数多く処方されているので気軽にクリニックに相談してみましょう。

低用量ピルで人気があるのはトリキュラー

ピルを飲む女の子現在では低用量ピルもかなり普及してきており、国内でも数多くの商品が出回っています。
その中でも最も人気が高いのは、トリキュラーという名前の低用量ピルです。
ピルに興味のある人なら必ず聞く名前で、実際クリニックでも最も多く取り扱われています。

このようにトリキュラーに高い人気が集まっているのには、いくつか理由があります。
トリキュラーは1999年に日本国内で政府から承認を受けた正規品であり、世界中で高い効果と安全性が確認されている信頼の置ける経口避妊薬です。
さらに他の低用量ピルと比べても体への負担は非常に軽く、初心者でも安心して利用できるという点も人気の秘密でしょう。

トリキュラーは三相性ピルと呼ばれるタイプの商品で、1つのシートにエストロゲンとプロゲステロンの含有量が3段階に分かれた錠剤が入っています。
女性の身体はデリケートで、ホルモンバランスも日々変化しています。
ホルモンの含有量を細かく変えているため、女性のホルモンバランスの変化に細かく合わせて服用することができるので、不正出血や重い副作用などが起きる心配もほとんどありません。

さらに、トリキュラーはシートを見ればどの錠剤をどの順番で服用すれば良いか一目瞭然で分かるように指示が印刷されているため、服用する順番間違いや飲み忘れを予防することができます。
このように初心者にも分かりやすい細やかな配慮がされていることも、一番人気となっている理由の一つです。

ちなみに、トリキュラーには1つのシートに21錠が入ったタイプと、28錠が入っているタイプの2種類があります。
どちらもホルモンの含有量や効果などは同じなのですが、飲み方が微妙に異なっているので注意が必要です。

21錠タイプ

21錠タイプの方は、最初に服用を開始してから21日間連続で飲み切って終了となります。
その後は7日間服用を休止し、生理が始まった日から新しいシートの1錠目を服用します。
7日間の休薬期間があるため、毎日錠剤を服用するという習慣が薄れ、新しいシートに入った時にうっかり飲み忘れてしまうリスクがあるので注意しておきましょう。

28錠タイプ

一方の28錠タイプは、21錠タイプと全く同じ21錠の他に、7錠の偽薬が入っています。
偽薬には何のホルモンも含まれていないのですが、21錠を飲み切った後も毎日飲み続けることができるので服用習慣を途切れさせる心配がありません。
偽薬を飲んでも休薬しているのと同じことなので、実際には21錠タイプと同じ効果を得ることになります。
28錠を飲みきったら、すぐに続けて新しいシートの1錠目を服用します。
一度休薬期間を設けると、次のシートに移るべき時に飲み忘れてしまうというミスが起こりやすいです。
このため、飲み忘れが心配な場合は28錠タイプのトリキュラーを処方してもらった方が良いでしょう。
価格的にはほとんど変わらないので、飲み忘れのリスクを考えれば節約のために21錠タイプを選ぶのはあまりお勧めできません。

トリキュラーの効果

トリキュラーも他の低用量ピルと同じく、エストロゲンとプロゲステロンという2種類のホルモンとよく似た成分を含んでいます。
これを服用することで、体内のホルモンバランスを妊娠時と同じ状況にすることができ、脳が妊娠したと誤解して本来のホルモン分泌をストップします。
このため卵巣の中にある卵子の成熟が追い付かなくなり、排卵が起きなくなるので妊娠する心配がありません。

この作用機序自体は特別なものではなく、他の低用量ピルと変わらないのでトリキュラーだけの効果というわけではありません。
ただ、トリキュラーは1ヶ月に服用する錠剤に配合されているホルモンの含有量が、時期によって細かく変えられています。
これにより、女性の身体が本来行っているホルモンバランスの変化とうまく合わせることができ、身体への負担を軽くしたまま高い避妊効果を得ることができます。
特に低用量ピル初心者にとっては飲み初めに副作用が起きやすいので、慣れるまでは負担の軽いトリキュラーを選ぶと体調面でも安心です。

また、トリキュラーを服用することで、もともと乱れがちだった本来のホルモンバランスを正しく安定させることもできます。
毎日適切な量のホルモンを摂取することで体内のホルモンバランスが安定し、生理周期も一定に改善させることができます。

他にも、トリキュラーにはプロゲステロンが多く配合されているため子宮内膜の成長を抑える作用もあり、生理痛を改善できるという点も嬉しい効果です。
事実、酷い生理痛で悩んでいる女性が、避妊ではなく生理痛の緩和を目指してトリキュラーを服用しているケースも多いです。
体への負担が軽いので、このような避妊以外の用途でも幅広く活用できるというメリットがあります。

正しい服用方法で飲むことが重要

このような様々な効果は、当然ですが正しく服用しなければ得ることはできません。
必ず指定された錠剤を毎日1錠ずつ服用するのですが、成分の血中濃度を一定に保つためにも同じ時間帯に服用することが大切です。

万が一飲み忘れてしまうと避妊効果が発揮できない可能性も高いので、くれぐれも注意が必要です。
所定の時間に飲み忘れたことに気付いた場合、12時間以内であればまだ間に合うのですぐに服用しましょう。
次の錠剤はその翌日ではなく、本来服用するはずだった時間帯に服用して構いません。
時間帯によっては1日に2錠服用することになりますが、12時間以内の飲み忘れであれば問題ありません。

24時間以内に気付いた場合も、12時間のケースと同じようにすぐに服用し、次の錠剤はいつも通りの時間に飲みましょう。
12時間以上経過すると避妊効果が下がることも多いので、その後2週間はコンドームなどを一緒に使った方が安心です。
飲み忘れから24時間以上経過してしまうと避妊効果は格段に低くなってしまうので、その月はトリキュラーによる避妊は諦め、翌月の生理が始まったら新しいシートで再開してください。

トリキュラーの副作用

トリキュラーを服用する場合、特に初心者の場合は副作用が起きてしまう可能性が高いです。
ホルモンバランスは身体に様々な影響を及ぼす重要な存在であり、本来の分泌量やバランスとは異なるトリキュラーを利用することで体が混乱し、不調を感じてしまうことがあります。
もちろん全ての人に起こるわけではなく、副作用の重さや種類も個人差が大きいのですが、あらかじめどんな症状があるかを知っておくことが大切です。

トリキュラーでよく見られる副作用としては、服用を始めた頃に起きる頭痛や吐き気が挙げられます。
比較的発症頻度は高いとされていますが、起きたとしても軽い頭痛や吐き気で済むことがほとんどです。
これらの症状は妊娠した際のつわりに似ており、トリキュラーの作用によって体が一時的に妊娠した状態と同じになるために起きると考えられています。

頭痛も吐き気も深刻なものではなく、身体がホルモンバランスや成分に慣れていけば次第に改善されていきます。
体質などによっては慣れるまでに2ヶ月から3ヶ月程度かかることもあるので、あまりに症状が辛い場合は医師に相談してみましょう。
この他、乳房の張りや全身の倦怠感、眠気などの症状が現れることもありますが、いずれも軽度のうちに身体が慣れていくケースがほとんどです。
低用量ピルに多く含まれているプロゲステロンの影響によってニキビができやすかったり、不正出血が起きるといった副作用もありますが、いずれも心配ない範囲です。

配合されているホルモン量が細やかに調整されているトリキュラーは身体への負担が軽いため、副作用が起きるリスクや症状の重さも過剰に心配する必要はありません。
このような副作用よりも、避妊効果を得られたり生理痛が改善したり、ホルモンバランスの乱れによる月経前症候群の緩和など様々なメリットの方が大きいため、数多くの女性がトリキュラーを利用しています。

注意が必要な血栓症

ただ、ごく稀に血栓症という重篤な副作用が起きてしまう可能性もあるので注意が必要です。
血栓症はその名の通り血の塊ができて血管に栓をしてしまう病気で、毛細血管など細い血管で発症すると完全に酸素や栄養を遮断してしまい、様々な合併症を引き起こすリスクがあります。
血栓症はトリキュラーに限らず全ての低用量ピルで起こり得る副作用で、配合されている成分によって血液が固まりやすくなることで発症します。
心臓や脳などの重要な臓器に繋がる血管に栓ができてしまうと、心不全や脳梗塞を引き起こし、場合によっては命を脅かしたり後遺症が残ってしまうこともある危険な病気です。

年齢によっては服用していない人より2倍から5倍も血栓症になるリスクが高まるので、注意が必要です。
ただ、発症頻度は本当に稀なので過剰に心配する必要はありませんし、水分をたっぷり摂ったり適度な運動などをしていれば予防できるので積極的に対策を行うと良いでしょう。